しろいはなび

twitterでは手狭に感じてきたのでブログを始めてみました。

私は風俗嬢講師 水嶋かおりん

水嶋かおりんという方を最初に知ったのはいつのことだったか思い出そうとしていますが、いまいちはっきりとしたことを思い出せません。twitterが流行りだして、みんながtwitterに参入してくるころ、アンダーグラウンドカルチャー方面をがっさがっさフォローしていたころにフォローしたのだと思います。

 

わたしがまだ学生だったころ、サークルの合宿に行っていたときでした。お酒を呑んで寝坊をして静まりかえった部屋のなかで、もぞもぞとケータイを握りしめ気怠い朝を迎えていました。ぼーっとした頭でtwitterをチェックしていると(いまは亡きtweet meというクライアントを当時使っていました。後継であるSOICHAもOSのアップグレードのときに対応しきれずにほとんど虫の息といった感じですね。とても時代の流れを感じます)かおりんの膨大なツイートでタイムラインが埋まっていました。ふだんはそういうときはさらさらーっと読み飛ばしてしまうのですが、なぜかこのときはかおりんのツイートを熟読していました。なにについてツイートしていたのか、いまとなってはこれもはっきりと思い出すことができないのですが、恋人と喧嘩、だったか、セックスについて、だったと思います。上手く言えないのですが、語り口がなにか読ませるような、不思議な魅力がありました。

 

そのあと、数年後、実物のかおりんにイベントでお会いして御挨拶と、そのときにやっていた密着マッサージなるものを体験しました。そのことを書くとただでさえ長いこの記事がさらに長くなってしまうので、いつかまた別の機会にお話します。

 

水嶋かおりんは、自身を性戯の味方と名乗っていて風俗嬢を本職とする方なのですが、他の同業者とは一線を画す存在です。(もともと風俗嬢という職業の性質上表立って活動したりすることの少ない存在ではありますが枠を広げて射精産業に従事するひとたちと括ったとしてもあまり見ないタイプの方です)SWASHというセックスワーカーのためのNPO団体と一緒に性感染症予防についての啓蒙活動をしたり、ドラゴンボールフリーザのコスプレをして街に繰り出しAIDSについての啓蒙活動をしています。またflameというニコニコ動画のチャンネル内で自身の番組を持ち、視聴者の悩み相談やゲストを呼んでトークをしています。また最近では赤土小学校前(これまたわたしが以前、毎日のように乗っていた日暮里舎人ライナーの日暮里から三駅目の駅です。ああ、懐かしい!)の雑居ビルをアトリエとして改装しワークショップを開催しています。

 

このように、性感染症予防、AIDS、NPO団体、ワークショップ、と並ぶと堅苦しいように一見見えますが、まったくそのようなことはありません。むしろ面白く、おかしく、そしてえっちな雰囲気を纏い、なおかつ勉強になるような情報をたくさん発信しています。

 

数日前のツイートを見ると、社会学学会のシンポジウムに出席していたようですし、なにかと勉強熱心な方です。

 

彼女の紹介が長くなってしまいましたが、そんな水嶋かおりんの著書です。彼女の貧乏な子ども時代から、上京してあらゆる風俗の職を転々として、現在の水嶋かおりんとしての活動を始めるまでがコラム形式で描かれています。ほかの方のレビューでも書かれている通り、ややもすると暗くなりがちな話を淡々と、というよりもむしろ明るい調子で書かれています。

 

彼女の家はとても貧乏で、産婦人科に診てもらうお金がなかったために自宅で出産したというほどの貧乏ぶりです。また父が働かず暴力を振るい、近所の年上の男性から性的暴力の被害にも遭っています。そして上京してからも学業と労働を両立させようとする姿が描かれています。わたしはそのような方を見ると、なにかとても自分が卑しい人間のように思えてくるのです。わたし自身、そのような苦労もせず、穏やかな両親に囲まれてのうのうと生きてしまっています。もちろん、そのような生まれであるとか貧富や美醜は他人と比べて羨んだり落ち込んだりするべきではないということは十分に分かったうえで、でも彼女はたくさんの苦労をしたうえで明るく前向きに振る舞えているのだな、と思うと頭がただ下がるばかりで、自分ももっと努力するべきだな、と焦る気持ちが本を読んでいるときにずっと体中をぐるぐる駆けめぐっていました。

 

最後に現役の風俗嬢でありながらセックスワーカーの支援団体に属し性感染症予防と啓発に専念されているからこそ書けたであろうエントリーを紹介してこの記事を終わりたいと思います。

☆性戯の味方☆ : これから風俗のお仕事をはじめる人へ

 

 

 

私は風俗嬢講師

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