ねずみくん40周年 なかえよしを+上野紀子の100冊の絵本展 神奈川近代文学館
招待券を頂いたので、またもや神奈川近代文学館に行ってきました。前回行ったのは装幀=菊地信義とある「著者50人の本」展で、まだそれほど日が経っていないのにまたここに来るとは思いませんでした。
前回は見事に横浜だけが集中豪雨に見舞われるという事態でしたけれど、今回は雲一つない真夏の晴天。刺すような直射日光とコンクリートの照り返しのなかえっちらおっちら向かうことになりました。ただ湿気がなかったので木陰で一休みするととてもほっとできたのが印象的な日でした。
・真夏ですと美術館の備え付けの給水機から呑む水がわたしを生き返らせてくれるのですが、神奈川近代文学館の給水機の水はぬるく、そしてかなりかび臭い?変な臭いがするのが残念です。細かいといえば細かいことなのですが笑
・前回は後ろに予定があったために企画展を中心に見ただけなのですが、今回は常設展もじっくりと見てみるとけっこう面白かったです。山本周五郎が早朝に起床し執筆の仕事をして、午前中に横浜の街を散歩していた、というのはとても良い生活だな、と思いました。横浜の街は起伏に富んでいますし、区画ごとに雰囲気ががらりと変わるので歩いていて飽きないんじゃないかなあと思います。自分も鎌倉に住んでいることですから真似してみようかなと思いましたw
・なかえよしを+上野紀子の展示は前回に引き続きとても満足しました。わたしはこぐまちゃんとノンタン派だったので、ねずみくんのことは知らなかったのですが、あの「ちいちゃんのかげおくり」も上野紀子が絵を描いていらっしゃったのですね。まったく知りませんでした。あれは国語の教科書に掲載されていて、わたしと同年代ならば必ず知っている物語だと思います。
・彼らが1970年代のニューヨークに行って、とんとん拍子で本が出版されることが決まり、ダリに街角で出会ったという話を聞いて、1970年代のニューヨークは良いなあという思いを新たにしました。
・ねずみくんのような可愛げのある童話以外にも瀧口周造とも関わりがあり、シュールレアリスムに影響された作品もあり驚いた。それぞれで画風が変わって並置されていれば確かに同じ作家なのかもしれないと思うけれど、そうでなかったら分からないほどに書き分けがされていた。寄り目の女の子「チコ」の冒険を描いたシリーズはわたしは気に入ってしまいました。それに外の世界に対する憧憬と恐怖が描かれた猫シリーズもとても好きです。なんとなくピクサーのボルトを思い出しました。
・なかえよしをと上野紀子はわたしが通っていた日本大学芸術学部の先輩であったことを初めて知りました。あの頃の日芸は才能のあるアーティストをたくさん輩出しているのだなあと改めて思いました。それにしても美術周りの業界はどこに行っても日芸出身がいるのですね笑
・今回夏休みだということもあってクイズラリーが開催されていました。入り口のところで係のひとから展示に関するクイズが書かれた紙を渡されます。クイズ自体は子どもでも分かるような難しいものではありませんし、クイズと対応したパネルには目印があるのでそれに沿って答えていけば全問正解できます。
この趣向はとても良いと思いました。パネルはどこか無味乾燥で、とっかかりがないと目が滑ってしまってなかなか頭に入ってこないものですが、これならば読んでみようという気になります。それにこのクイズを答えるとポストカードがもらえるのも嬉しいです。
あの企画のために開館中はつねに人員を配置させなければならないのは職員サイドには負担があるのでしょうがとても楽しかったですし、展示に対する理解も深まりました。
・また近代文学館の別館にて、企画に合わせてなかえよしを+上野紀子の絵本の特集コーナーがあって読んでしまいました。そんなこんなで昼ぐらいに行ったのですが閉館近くまで滞在してしまいました。
追記:エントランスでは、ねずみくんのコスプレができるように、ねずみくんのトレードマークの赤いチョッキ、お鼻、耳の形のカチューシャがあって、記念撮影ができるコーナーがありました。チョッキも大人用のサイズから子ども用のサイズもあって、親子で撮影できるコーナーになっているみたいです。これはけっこう楽しいなあと思いました。
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