横尾忠則 肖像図鑑 川崎市民ミュージアム
武蔵小杉駅から徒歩で30分くらいかかったと思います。歩けないことはないけれども、この日は日差しが強くとても暑い日だったので大変でした。等々力緑地内にあるようですが、バスが美術館の横まで来ているので、バスを使っていくのが良いのでしょう。
等々力緑地は市民プールや競技場があって文化施設というよりもスポーツ施設のようでした。子ども達や家族連れがプールではしゃぐ音を聞きながら冷やしたほうじ茶の入った水筒とおにぎりを食べてとても気持ちが良かったです。いままで都内の美術館を中心に行っていましたが、都外の美術館は公園内に併設されているので、ピクニックがてらに美術館に行くのも良いと思いました。
川崎市民ミュージアムは、はるかむかしに、「写真ゲーム~11人の新たな写真表現の可能性」という企画展のときに行ったのですが、すっかりどんな場所だったか忘れていました。
美術館は見るからに大きく、そして土地をふんだんに使っているなあという感じがしました。エントランスのところに岡本太郎の「座ることを拒否する椅子」が並べてありました。写真を撮っておけば良かったと思ったのですが、座ることに熱中するあまり撮ることを忘れてました。
・横尾忠則はtwitterで若者に共感を得られるツイートをする名言bot、という印象が強く、どのような作品を作っているひとなのか、代表作がなんなのか、ということも知りませんでした。
今回は肖像がテーマということで、作家や俳優やミュージシャンなどの肖像画やピカソ、マン・レイ・ピカビア・岡本太郎などの作品のリミックスなどが展示されていました。展示室は狭いながらもその圧倒的な量にただただ呆然とするばかりでした。
・しかしながらそれと同時に、アーティストがアーティストとして価値が認められるというのは、いったいどこに差があるのだろうと思いました。このように美術館に収蔵され大事そうにガラスケースに入れられて展示される作品と、埃を被ったり無惨に捨てられてしまう作品と、いったいなにが違うんだろうと思いました。
たとえば鬼気迫る執念で描かれた作品であるとか、超絶技巧を駆使された作品であるとか、そういうことなら分かります。わたしは絵のことは詳しく分からないのですが、もしあのたくさん並べられた作品のなかの一つに美術大学の学生作品がぽつんと置かれていたら、わたしはそれを判別することができるのかな。もしくは大学の学祭のなかで掛けられていたら、このように立ち止まってしげしげと眺めているでしょうか、と思いました。
アーティストがアーティストとして評価され価値を認められるというのは、いったいどこで決まるものなのだろうか、と考え込んでしまいました。
・三宅一生のパリコレの招待状のデザイン原稿が展示されていたのですが、これがわたしの一番のお気に入りでした。とくにタイプライター文字がとても好きなようです。そしてやっぱりタイポグラフィが好きなんだな、と思いました。
・展示を見たあとは、テラスでSFじみたタワーマンションと古代の恐竜を思わせるクレーンを眺めながら上記のようなことを考えていました。
郊外の美術館は土地がふんだんに使われていて、(それでも都内でもゆとりのある設計はなされていますが)企画展示以外にも美術館の建物や周りの雰囲気を楽しむという楽しみ方もあると思いました。せっかくこの土地にいるのだから神奈川県内の美術館を楽しみ尽くそうかな。
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