しろいはなび

twitterでは手狭に感じてきたのでブログを始めてみました。

【ネタバレ感想】ゴーンガール

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デヴィッドフィンチャーはかなり好きな映画監督で、セブン、ファイトクラブソーシャルネットワークドラゴン・タトゥーの女、を見たことがあります。しかもソーシャルネットワークドラゴン・タトゥーの女においては劇場に見に行っています。
彼の作品は自分の何かに呼応するように、ぽこぽこと心の底で泡を噴いている感じで、何かにつけて思い出しては「あれはこういうことだったのかなあ」なんてことを思ったりする数少ない映画監督です。(とは言ってもデヴィッド・フィンチャークリストファー・ノーランはたまにごっちゃになりますw)

なんとなく気になっていたゴーンガールについての感想です。初めて続きを読む、機能を使ってみます。ちゃんと使えていれば良いのだけれど。

ネタバレで感想を書きます。

 
見ている間はわくわくしながら見ることができました。この先はどうなってしまうんだろう、ばらまかれる謎とそれの解決と新たな状況の展開、一方的に悪くなっていく状況とそれに抗おうとする主人公や、新たに開示される人間関係とそれの変容。そして妻の日記文体が所々に挿入され、時間軸を揺らしてくれる感じも良かったですし、始終わくわくしながら見ることができました。所々に散りばめられた小ネタのような笑えるポイントもしっかり受けました。

後半、妻が生還してくるところはどことなくセヴンを思い起こさせました。しかしながらラストは自分はもっとセヴンのような破調を期待していたのですが、その辺りはいつものフィンチャーの中道を行くラストで終わったような気がします。

見ている間はわくわくしながら見ることができましたが、数日経って考えてみると、まあ、主要なモチーフが男女関係だったのが、ちょっと辟易するような感じもしました。自分は今は粘度の高い人間関係や体液の香り漂う恋愛関係は遠く遠く遠ざかって生活をしていますし、興味もないし、どちらかと言えばうんざりしてるのであって、あれだけ恋愛関係や婚姻関係に人生の多くを費やすエイミーの姿はいまいち自分の人生において重要なものとは思えませんでした。言ってしまえば鬼女板の2chまとめの大作SSを読んだかのような読後感に似たようなものだったと思います。瞬間的な感情の揺さぶりと徒労感のような疲労。

それでも、前面に出ているモチーフがそれだからと言って、ゴーンガール全体の評価を落とし下劣なゴシップ映画だと切ってしまうのも何か違うような普遍性をどこかに帯びているような気がしますが、自分にはまだ掴みきれてません。


映像と音楽はもう何も言うことがないくらい、逆に特徴がないのでは?と思わせられてしまうほどのクオリティの高いものでした。映像がほんとに綺麗でした。ソーシャルネットワークのとんでもない台詞量とかファイトクラブのような遊び心のあるフィンチャーはもういないんですね。