【感想】Call of Duty: Modern Warfare 3(2011)
戦争FPSに変革をもたらしたモダンウォーフェアシリーズの完結編です。Call of Duty: Modern Warfareは2007年に発売され、Call of Duty: Modern Warfare2は(2009)に発売されました。5年掛けの大作のシリーズです。やりすぎなくらいの演出と、海外ドラマを意識した二転三転するストーリーラインによってそれまでのFPSでは有り得なかった快適さと没入感を提供してきました。自分はCoD4以前のFPSゲームはちょっとかったるくてやりたくないと思えるほど、ジャンルの完成度がプッシュアップされました。それだけに期待値は高かったのですが、結果としては前作を超えることはできませんでしたが、それでも一級のエンターテインメント作品でした。
ストーリーは前作の直後から始まり、前作で引き起こされた第三次世界大戦が起きた世界が描かれます。ロシアの超国家主義者たちとの攻防のなかでデルタフォースの隊員の視点でニューヨークの奪還作戦に参加したり、化学兵器攻撃でロシアに侵攻されたヨーロッパ諸国でSAS、GIGN隊員として戦闘に参加するなど、ストーリーもグローバルになり作戦の規模もかつてないほど大規模なものになりました。前作からのキャラクターも引き続き登場し、この一連の戦争を引き起こすきっかけになった超国家主義者のリーダーを追い詰めるエピソードと交差しながら描かれます。
MWというジャンルのエポックメイキング的な作品において、やはりその最終作だからこそ初代を超えて欲しいという思いはありました。しかしながら壮大になってしまったがゆえに、次々と作戦地域が変わり、ニューヨークの次はインドでアフリカ、イギリス、ソマリアとステージごとに世界各地を飛び回ることになるので、いまいち自分がどういう目的で何をしに行ってるのか追えなくなってしまいました。ただ、ストーリーを完結させるために風呂敷を畳もうとしているのは分かるのでなんとも言えません。ただそのために主人公格のソープ、プライス、のエピソードが霞んでしまったように思います。それにMW1の最終ステージはとても胸が熱くなる状況が展開されたのに、今回はMW1に比べると盛り上がりに欠けた凡庸な終わり方、のような気がしました。それでも第三次世界大戦という大状況を上手くヒーローの物語へと収束させていたように思います。それでも古城の潜入ミッションや鉱山のステージはもはや戦争とは言えないような気もするけど・・・
わたしがFPSっていうのは映画よりも没入感を持って体感できる新たな物語の体系なのではないか、と思わせてくれたのがこの作品でした。それだけのハイクオリティな物語がこの作品には詰まっていますし、映画でも小説でも描けなかったものがFPSによって描けると信じています。これからもこのジャンルは面白い作品を作ってくれるのではないだろうか、と思います。
FPSのゲームとしての面白さに最高難易度でクリアするというものがあります。難しい局面を試行錯誤しながら切り抜けるのはとても楽しくそれこそMW1ではクリアできるかできないかの瀬戸際まで追い込んだデザインでしたがMW3以降どんどん難易度が易化していきます。最近の作品は最初から最高難易度でプレイをしてもまったく問題が無いくらいに簡単になっています。とても残念なのですがその話はまたいずれ。
Official Call of Duty: Modern Warfare 3 - Redemption Single Player Trailer - YouTube
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