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しろいはなび

twitterでは手狭に感じてきたのでブログを始めてみました。

【感想】Portal2(2011)

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FPSの要素はだいたい二つに分けられる。一つは的を撃つ。未知のエイリアンであったり、敵国の兵士だったり、ギャングであったりするのだが、その動き方のリアルさであったり立ち回り方を考えさせながら撃つことを楽しませる要素がある。もう一つはA地点からB地点へ行くことだ。立体的なマップのある地点からある地点へ行くことによってゲームが進行する。これは多くのゲームでは疎かにされがちである。なぜなら道が分からなくなって立ち止まることはプレーヤーは嫌うからだ。少し前の世代のゲームではよくあったことだ。どこに行けばいいのか分からず右往左往した挙げ句、目立たない場所に扉のスイッチがあったりしたりする。近年では(とくにCoD以降は)コンパニオンが先導してくれ、こっちだあっちだと指示してくれるようになった。これによってプレーヤーの進行を調節しながら物語にも起伏と厚みを与えることができて、とてもナイスアイディアである。

 

Portal2はこの後者のA地点からB地点に向かう要素を膨らましてゲームにしたコロンブスの卵的な発想のゲームだ。自分の好きな場所に入り口と出口を作ることができる「ポータルガン」というアイテムを使って到底行けそうにない場所までたどり着くというのがこのゲームの趣旨でFPSファーストパーソンシューティング)というよりFPP(ファーストパーソンパズル)である。好きな場所に入り口と出口を作ることが出来るというシンプルな要素を使ってクリアしたときにはいわゆる「アハ体験」はなんとも爽快である。

 

ストーリーは前作のすぐ直後から始まるが、前作からは数百年経った世界が舞台になる。無菌室的なステージ構成は朽ち果て錆びと植物が生え、ステージの裏側を通り抜け、主人公はこのパズル地獄から脱けだそうと画策する。前作では謎の多かった舞台設定の過去を明かしながら、平行軸に極大の垂直軸が貫かれていることも興味深い。

ステージの中盤で現在では破棄された過去の実験施設に行くことになるのだが、それを垂直的に落ちることで表現し、登ることで明らかにしていくというのはメタファーとしてもとても面白い。

随所に挟み込まれるブラックジョークも風刺が効いているし、伏線の張り方も見事であって濃密なプレイ体験をすることができた。